検証/欠番作品とは

■欠番話とは?

【欠番】 ケツバン
 @途中の番号を欠くこと。また、その番号
 A当番にかけること。

欠番話とは・・・すなわち欠けているエピソードのことを指し、多くの場合、本放送以降の放送はされていない。「太陽にほえろ!」にも多数この欠番話が存在しております。

以下に現在までに確認されている「太陽」の欠番話リスト記載します。

マカロニ編   第19話「ライフルが叫ぶとき」
第27話「殺し屋の詩」

第37話「男のつぐない」
ジーパン編 第68話「一万人の容疑者」
第106話「着陸地点なし!」
テキサス編 第127話「非情な斗い」

ここではマカロニ篇での3作の欠番、「ライフルが叫ぶとき」「殺し屋の詩」「男のつぐない」について検証していきたいと思います。


見ることはできないのか?

 2003年11月現在まで「欠番話を入手し見た」や本放送以外での放送情報などは入っておらず、同じ欠番話である「ウルトラセブン 第12話」や「怪奇大作戦 第24話」のように、いわいる熱心なファンの間でも流れていないようである。

よって、まず見ることは不可能と断言していいでしょう

しかし、『太陽にほえろ!七曲署ヒストリー』(DVD/LD/VHS)という、オープニングと予告編を網羅したものに欠番作品の予告編が収録されており、唯一動く映像が見られます。

近年発売されたDVD-BOXでも、ファンの「欠番話も収録して!」という声に対し、VAP側は「努力はするが期待はしないでくれ」との返答だったらしく。
今後、ソフト化されることはかなり難しいでしょう。

 1976年、放映当時に発売された書籍「太陽にほえろ!名場面集」のリストで、既に19、27、37話の3作は“太陽の歩み”に掲載されておらず、その頃日本テレビで再放送された中でも3作品は見事に飛ばされて放送されています。

 ビデオテープが普及していない1976年当時に再放送されていないことから一般の視聴者が放送を録画した物の流出も絶望的と言えます。

 ですが、1974年のテキサス編放送時期から、視聴者の中でカセットに音を録音する方が出てきました・・・ということは上に書いた1976年以前にマカロニ篇が再放送され、その音を視聴者が録音していたとすれば、あるいは・・・という可能性は残っています。
(1976年以前にマカロニ編が再放送されたことがあるかどうかは現在調査中です。)


 しかし、書籍「青春ドラマ夢伝説」によると、ライフルと鋲打ち銃を番組を初めた頃に撮影に使用してしまい、番組初期に2回も銃刀法違反を犯してしまったことがあると記載があります。
それがこの「ライフルが叫ぶとき」「殺し屋の詩」の2作品だとすれば、普通に考えて本放送以後の放送はされていないはずで、差別的用語を使用したため数度の再放送後に欠番化したと考えられる「男のつぐない」以外は、再放送を録音したテープの存在もありえないということに!


 また、放映当時発売されていた小説本には「ライフルが叫ぶとき」と「殺し屋の詩」の脚本を原作とした小説版が掲載されており、作品中に差別的な表現が含まれていると言われている「男のつぐない」は小説になっていないことからも、ストーリー自体ではなく、映像(実銃を使用した)に問題があるのだろう。ということが推理できます。この小説作品によって2作品のストーリーがおおまかにはつかめますが、ラストシーンなどが決定的に違うため、やはり完全なストーリーの把握は難しいようです。



 多くの欠番話に多く「封印された経緯が明確にされず、ファン達の推測の粋を越えない」
という状況であり、これからの各話検証・封印理由は管理人やコンテンツ作成に協力してくださった方の推測で製作されております。



第19話「ライフルが叫ぶとき」

昭和47年11月24日放送
脚本:石森史郎
監督:金谷 稔
ゲスト:地井武男,小笠原弘,荒井玉青



STORY
  七曲署捜査一係が4年前に逮捕した殺人犯・高野が脱獄した。
その脱獄犯は、当時の共犯者である松山社長の、ある裏切りを知ったことにより復讐の鬼と化し、
松山の娘 恵子を人質に工事中のビルに立てこもった。
藤堂は石塚に、立てこもった高野の射殺を命ずる。


 この作品については長い間、小説版に記載されているラストシーン、ゴリさんが犯人である地井武男氏を射殺する描写などが問題で再放送されないのでは?と考えられてきましたが、地井武男氏がゲスト出演した際の「テレビジェネレーション」という番組内でこの「ライフルが叫ぶとき」のラストシーンをスポット放送したことがあります。
 ・犯人役の地井武男氏を中心に女の子を人質にする場面
 ・ゴリさんが地井武男氏の肩を打ち抜いてマカロニたちが逮捕する場面

以上が放送されたようで、このことにより「射殺」というのは小説版のみの展開ということがハッキリしています。

欠番の理由として考えられる諸説
実物のライフルを撮影に使用したことから銃刀法違反として警察に叱られた、というのはこの作品ではないか? 
 しかし、時代劇等の撮影では本物の日本刀が使用されることもあるとのことです。
 どうも、本作品を封印する理由としては弱く感じます。
・ゴリさんが犯人に対して「俺が地獄に送ってやる」と異常なまでの射殺へ意欲を見せるような描写があったため?
 これに関しては不確定な情報ですが、本放送当時の録音テープを持ってるとおっしゃる方が
 某掲示板でそのような発言をしたことがあります。
 もしかすると、この刑事らしからぬ発言も封印せざるをえない要因の一つとしてあるのかもしれません。
・共犯である松山社長を尋問したり、逮捕へ向けて一係の面々が動いていないように印象づけられる。
 4年前の事件に対して一係に調査不足があったにも関わらず、調べ直し等もなく高野を射殺しようと
 した藤堂の判断に視聴者、もしくは放送当局から注意があった可能性。

 岡田プロデューサーは書籍「太陽にほえろ!伝説」でもベストにあげていることからも、ボスの厳しさと優しさを描いた作品として気に入っているようで、せめて放送できないのであれば・・・
と本放送後に小説版の中にこの作品を採用したのではないでしょうか。



第27話「殺し屋の詩」

昭和48年1月19日放送

脚本:小川 英 鴨井達比古
監督:竹林 進
ゲスト:近藤正臣,中村哲,オスマン・ユセフ

STORY
 「殺し屋の詩」STORY を参照下さい。


 この「殺し屋の詩」では、小説版のラストとは全く違う、マカロニが犯人役の近藤正臣氏を刺殺するという、「太陽」全作品で最も衝撃的と思われる展開があります。

 「殺し屋の詩」は、早見淳の人生の中で大きな転機となったに違いない上、殉職作「13日金曜日マカロニ死す」との関連性も強く考えられることからも絶対になくてはならない作品であると共に“運命”と表現された二人の再会と別れ、クールに死んでいく近藤正臣氏の迫真の演技など見所満載で、これを放送しないのはあまりに勿体ないと感じます。

欠番の理由として考えられる諸説
・実銃を使用したシーンがある可能性(近藤正臣氏が使用しているライフルは特注の小道具と名言されているため、マカロニと近藤正臣氏のライフル狙撃対決のシーンで使用するものが可能性有り)
・ゴルゴ13のとあるエピソードに似ているため(未確認ですが、ライフルを注文する近藤正臣氏の台詞がコピーと思われるほど、ゴルゴ13のとあるエピソードに似ているとのこと)
・ストーリー上マカロニが個人感情で故意に犯人を刺殺したととられる展開だったため
 視聴者、また放送当局から注意を受けた可能性。

などなどが現在までに寄せられていますが、こちらもはっきりしたことは分かっておりません。


当時の新聞記事

S48.1.19 読売新聞
「クールに死ぬ演技を計算した」

 現代的な二枚目青年の役が多い近藤正臣が、珍しくプロの殺し屋役でゲスト出演する。
「最近”必殺仕掛人””日曜日にはバラを”と殺される役が多いのですよ。
こんなに続くと死に方をいろいろ考えなくては・・・・」ガンさばきにかけては正確無比な名人の役だが、最後にショーケンふんする早見刑事に刺されるシーンでは、非情さを強調してクールに死ぬ演技を計算したという。
「けん銃が大好きで、ヒマな時はよくけん銃事典を見ている」近藤は、このドラマで使う銃として、小道具係にアメリカ製アーマーライト銃を特別に作ってもらった。
また冷たさを出すためのサングラスも3日間、眼鏡屋さんを歩き回って探した」というフランス製。
クールで男っぽい役にイメージチェンジをはかっている彼の意図がどこまで出るか。


 この記事から分かるように、犯人役を演じた近藤正臣氏の気合の入りようはすごかったようです。小道具のアメリカ製アーマーライト銃、自ら選んだサングラスはスチールや予告編で見ることができますが、計算されたクールな死・・・どうしても見たいものです。

S48.1.16スポーツニッポン
『スゴ味ある殺し屋ぶり』近藤正臣がクールな味

 この作品へのゲスト出演の話は、昨年夏ごろからあり、スケジュール調整をしていたがこのほどやっと一週間とれたので急遽実現したもの。
「ショーケンのカッコよく、しかも緻密に計算された演技が好きで、ぜひ一度共演したかったんです。それにこんどの台本はすてきだし、やりがいがあります。」と近藤は目を輝かせる。
撮影はまず、新宿のあるビルの屋上から。殺し屋役の近藤が、外人貿易商を380メートル先から一発で撃ち抜くシーンだ。
「拳銃が好きで、拳銃事典などをよく見ているんです。」という近藤は、この撮影のために特別に作ったというアメリカ製のアーマーライト銃をたくみに使い、スゴ味のある殺し屋ぶりを発揮。
このあと、近藤の殺し屋とショーケン扮する早見刑事が拳銃やビリヤードで腕を競うシーンなどが撮影されたが、若い二人は初共演とは思えないほどすっかりうちとけ、撮影の合間にはお互いの仕事について意見交換。


情報提供:蛍子様

VAPビデオ「マカロニ活躍篇」
 「太陽にほえろ!」ビデオシリーズの発売が決まった当初、全33巻のリストが掲載された資料には、第3期リリース分に「殺し屋の詩」の記載が確認されます。マカロニ活躍篇と題され「プールサイドに黒いバラ」とのカップリング収録予定だったようです。是非商品化していただきたかったのですが、その後「マカロニ奔走篇」と題を変え「俺の拳銃を返せ!」に差し替えられてしまいました。






流用シーン
 「殺し屋の詩」の貴重な映像を他の作品で見ることができます。それは殉職刑事回想篇「マカロニ・ジーパンそしてテキサス」の予告編と本編に1シーンづつあり、予告編のほうでは淳が殺し屋を追って激走するシーン、本編では一係へ淳がかけこんでくるシーンの2シーンが確認されます。
これはなんらかの事情で本放送以後「殺し屋の詩」の放送を行わないという製作側の決定がおそらくあり、以後日の目を見ることのない「殺し屋の詩」の映像をせめて回想シーンに使用しようといった経緯があったのでは?と管理人は推理しています。




第37話「男のつぐない」

昭和48年3月30日放送
脚本:永原秀一
監督:土屋統吾郎
ゲスト:今井健二,穂積隆信,石井純子,樋浦勉



STORY
とある工員の寮母・良江が殺された。
血のついたナイフと奪われた十万円が見つかったことにより、工員・大場を逮捕、犯行を自供した。
しかし、石塚は多額の保険金を受け取った良江の夫・堀田の行動に疑念を抱く。
署長の「犯人は一人でいいのだ」という命令に背いて、石塚は一人の男を罪に追いやったことを償う。


欠番の理由として考えられる諸説
・癲癇の病気で苦しむ犯人を、刑事たちが蔑む発言があり、プロデューサーが封印した。
 書籍「海賊版ビジネスの世界」と「青春ドラマ夢伝説」に差別用語があった作品を封印したという
 表記が見られます。以下は、本作がその作品であるという手がかりです。

宝島社から以前出版されていた「海賊版ビジネスの世界」という書籍の中で、いくつか再放送されない作品がとりあげられており、そこに「太陽にほえろ!」第20話がある差別用語により欠番と記されております。

「海賊版ビジネスの世界」宝島社出版より
◎「太陽にほえろ・二十話」
 懐かしき石原裕次郎ら刑事たちに追われる犯人が癲癇持ちという設定。
七曲署の刑事のなかでは「あいつは癲癇野郎だ」と、病気で苦しむ人間を蔑む発言があり、数度の再放送が行われた後、プロデューサー自ら封印。

 しかし第20話「そして、愛が終わった」は現在もバリバリ再放送されています

欠番理由が明確に理解できるものを除いて、作風なども考慮すると、この二十話と誤表記されたのは本当は、この作品では?という推理ができます。
書籍「青春ドラマ夢伝説」にもあるように、本放送時には問題にならなかった表現が時代とともに「差別的表現」として封印されることとなり、数度の再放送をしたあと岡
田P自身によって放送自粛したのが本作ではないかと推理されます。

 またこの「男のつぐない」こそ、上記の差別用語が含まれる作品だという確信を持つひとつの手がかりとして、2004年頃にYahooオークションに「太陽にほえろ!男の償い(決定稿)」のシナリオの出品があった時に「本作品には差別的表現が含まれています」との記載があったことも確信を持つ確かな情報でした。



以上のように、「太陽にほえろ!」の欠番に関しては、実銃使用による警察からの厳重注意が2回と差別表現で封印した作品があり、また放送初期は放送当局より犯罪者を殺したり、表現において指摘が多数あったとの話が書籍等でみられることからも、プロデューサーや放送局の倫理観、そして1976年当時、国民的人気番組となっていた「太陽にほえろ!」の世界観を守るために封印された作品群が、上記だったという印象を強く持ちます。

上記以外の情報や、当時の録音テープ、放送台本、スチールなどの新しい手がかりをお持ちの方がいらっしゃいましたら、メールを下さいますと嬉しく思います。



参考資料
「太陽にほえろ!伝説」「太陽にほえろ!名場面集」「海賊版ビジネスの世界」
「太陽にほえろ!大全集デラックス1」「VAPビデオ発売パンフレット」「続・太陽にほえろ!」
「12000シリーズ テキサス登場編」「七曲署ヒストリーVol,1」読売新聞記事
「青春ドラマ夢伝説」



[ TOP ]